信用創造 銀行編

信用創造は債権の8ステップのなかで生まれます。

個人が銀行から住宅ローンを借りる場合を例に解説します。

経済を分かりやすく表現するプログラムを作成していましたが、作成していくなかで、本質を分かってからプログラムを作成するというプログラマとして当然の視点から、気づくことが多々あったので、経済学者とは少し違う観点で信用創造の本質を説明します。ぜひご覧ください。

理解しやすいよう、詳細簿記で資産の動きを合わせて解説します。

信用創造の8つのステップ

この記事の概要です。下記のとおりです。

  1. 借主と貸主の契約
  2. 借主の将来収入を借主担保として計上
  3. 借主担保を償却し、借主債権を創造(債権創造)
  4. 貸主への借主債権を提供
  5. 借主債権を貸主担保として計上
  6. 貸主担保を償却し、貸主債権を創造(信用創造)
  7. 借主への貸主債権を提供(資金提供)
  8. 返済(債権債務の消滅)

1借主と貸主の契約

  • すべての信用創造は、債権の創造から生まれます。
  • すべての債権は契約により生まれます。
  • 信用創造は、借主と貸主の契約により生まれます。
  • 銀行預金は借主と貸主である銀行との契約により生まれます。

個人が銀行から融資を受ける際は、「将来働いて返しますので住宅購入のための資金を貸して下さい。」との申し込みを銀行にします。銀行は、借主の現在の所得、年齢などから返済に問題がなさそうだと判断すると、融資額、返済期間、利率、担保などの融資条件について交渉し、交渉がまとまれば金銭貸借借契約を締結します。

2 借主の将来収入を借主担保として計上

個人は将来働いて得れれる収入を担保として計上します。個人の将来収入は、現在の所得、年齢などにより限界があります。生涯に稼ぐ収入には限界があるからです。したがって、住宅ローンのために使用すると、他の用途で使える余力は減少します。与信が減少するといいます。普通は購入する住宅も担保とするので、一概に将来収入だけが担保ではありませんが、個人の担保余力は減少します。他からの借入れはしづらくなります。

(資産増加)将来資産 3000 (収益発生)将来収入3000 

   

3借主担保を償却し借主債権を創造(債権創造)

2で計上した担保としての将来資産を償却し、個人の債権を創造します。

(費用発生)担保償却 3000  (資産減少)将来資産 3000

(資産増加)個人債権   3000 (負債増加)個人債務 3000

4貸主への借主債権を提供

借主は3で創造した個人債権を担保として銀行に提供します。

(資産増加)未受領資産 3000 (資産減少)個人債権 3000

銀行は個人債権を受領します。

(資産増加)個人債権 3000 (負債増加)未払金 3000

5借主債権を貸主担保として計上

銀行は受領した個人債権を担保として計上します。

(資産増加)将来資産 3000 (収益発生)将来収入 3000

6貸主担保を償却し、貸主債権を創造(信用創造)

銀行は担保を償却し、銀行債権を創造します。

(費用発生)担保償却 3000  (資産減少)将来資産 3000

(資産増加)銀行債権   3000 (負債増加)銀行負債 3000

ここで創造された銀行債権、銀行負債は銀行預金です。この創造された債権である銀行預金が創造されることを信用創造と言います。貨幣の創造です。この工程は3の債権の創造と全く同じメカニズムです。

この流れから分かる通り、銀行はいくらでも銀行預金を作り出せるわけではありません。あくまでも、借主が提供した担保の範囲内で銀行預金を作り出すことができるということです。もちろん銀行は、銀行が集めた預金を貸し出している訳でもありませんので、銀行が資金提供の資金が枯渇することはありません。

7借主への貸主債権を提供(資金提供)

銀行は創造された銀行債権である銀行預金により資金を提供します。

(負債減少)未払金 3000 (資産減少)銀行債権 3000

借主である個人は、銀行から資金を受領します。

(資産増加)銀行預金 3000 (資産減少)未受領資産 3000

この段階の個人と銀行の貸借は以下のとおりになります。

個人:銀行預金 3000 個人負債 3000

銀行:貸付金(個人債権) 3000 銀行預金(銀行負債) 3000

個人は住宅購入の資金を獲得することができました。この資金で住宅を購入します。

8返済(債権債務の消滅)

借主である個人は約束どおり、借入金を返済します。すべての返済が終了すると、借主と銀行双方の債権・債務が消滅します。

お金である銀行預金も消滅し、実体経済の貨幣量が減少します。

まとめ

銀行の信用創造の流れを解説しましたが、借主と銀行の金銭貸借契約による一連の流れのなかで、信用創造により銀行預金が生まれます。この流れは、政府と中央銀行の場合も全く同じ流れになります。借主と銀行のケースが理解できると、政府と中央銀行の流れも理解し易くなります。政府と中央銀行については別の記事を解説しますが、信用創造、お金の本質、国債の本質も完全に理解できるようになります。

Youtubeの動画もご覧ください。全体の流れが理解し易くなると思います。(2022/4/2差し替えました。)


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