国債と信用創造 中央銀行

信用創造は債権の8ステップのなかで生まれます。

 日本においては日銀が直接国債を引き受けることを禁止しています。この記事では、基本である政府が日銀から直接引き受けた場合の流れを解説します。(直接引き受けたとしても経済的には、何の問題もありません。禁止している理由は、別の理由です。)

 経済を分かりやすく表現するプログラムを作成していましたが、作成していくなかで、本質を分かってからプログラムを作成するというプログラマとして当然の視点から、気づくことが多々あったので、経済学者とは少し違う観点で信用創造の本質を説明します。ぜひご覧ください。

理解しやすいよう、詳細簿記で資産の動きを合わせて解説します。

信用創造の8つのステップ

この記事の概要です。下記のとおりです。

  1. 借主と貸主の契約
  2. 借主の将来収入を借主担保として計上
  3. 借主担保を償却し、借主債権を創造(債権創造)
  4. 貸主への借主債権を提供
  5. 借主債権を貸主担保として計上
  6. 貸主担保を償却し、貸主債権を創造(信用創造)
  7. 借主への貸主債権を提供(資金提供)
  8. 返済(債権債務の消滅)

1借主と貸主の契約

  • すべての信用創造は、債権の創造から生まれます。
  • すべての債権は契約により生まれます。
  • 信用創造は、借主と貸主の契約により生まれます。
  • 日銀当座預金は政府と貸主である日銀との契約により生まれます。

 通常であれば借主と貸主が借主の返済能力、融資額、返済期間、利率、担保などの融資条件について交渉し、交渉がまとまれば金銭貸借借契約を締結しますが、政府と日銀の間では、政府が契約不履行の可能性はゼロなので、申し込みがあった時点で契約が成立します。

2 借主の将来収入を借主担保として計上

 政府は、国全体で将来生産される富を担保として計上します。将来生産される富には限界がないので政府の将来収入には、限界がありません。担保に限界がないため、資金調達にも限界はありません。ただし、政府にある限界は、支出に答えるだけの生産能力が存在するかどうかということです。生産できない人に発注しても、生産はできないからです。したがって、政府の資金調達の制約は、国の生産能力になります。支出できない以上に資金調達しても無駄だからです。

(資産増加)将来資産 3000 (収益発生)将来収入3000 

   

3借主担保を償却し借主債権を創造(債権創造)

2で計上した担保としての将来資産を償却し、政府債権である国債を創造します。

(費用発生)担保償却 3000  (資産減少)将来資産 3000

(資産増加)政府債権   3000 (負債増加)政府債務 3000

4貸主への借主債権を提供

借主は3で創造した政府債権を担保として日銀に提供します。

(資産増加)未受領資産 3000 (資産減少)政府債権 3000

日銀は政府債権を受領します。

(資産増加)政府債権 3000 (負債増加)未払金 3000

5借主債権を貸主担保として計上

日銀は受領した政府債権を担保として計上します。

(資産増加)将来資産 3000 (収益発生)将来収入 3000

6貸主担保を償却し、貸主債権を創造(信用創造)

銀行は担保を償却し、銀行債権を創造します。

(費用発生)担保償却 3000  (資産減少)将来資産 3000

(資産増加)日銀債権   3000 (負債増加)日銀負債 3000

ここで創造された日銀債権、日銀負債は日銀当座預金です。この創造された債権である日銀当座預金が創造されることを信用創造と言います。貨幣の創造です。この工程は3の債権の創造と全く同じメカニズムです。

 この流れから分かる通り、日銀はいくらでも日銀当座預金を作り出せるわけではありません。あくまでも、受領した担保の範囲内で日銀当座預金を作り出すことができるということです。もちろん日銀は、日銀が集めた日銀当座預金で資金提供している訳でもありませんので、日銀が資金提供の資金が枯渇することはありません。

7借主への貸主債権を提供(資金提供)

日銀は創造された日銀債権である日銀当座預金により資金を提供します。

(負債減少)未払金 3000 (資産減少)日銀債権 3000

政府は、日銀から資金を受領できました。

(資産増加)日銀預金 3000 (資産減少)未受領資産 3000

通常の企業会計の簿記では以下のとおりに表示します。

政府:日銀当座預金 3000 国債(政府負債) 3000

政府は資金を獲得することができました。この資金で政府支出を行います。

8返済(債権債務の消滅)

 政府は、償還期限がきた満期国債を、新たに発行した国債で調達した資金で償還します。償還した国債の債権・債務が消滅します。

 もし税金で国債を償還してしまうと通貨が減少してしまうので、税金で国債を償還することはせず、新たに国債を発行して通貨発行量を維持します。

まとめ

 日銀の信用創造の流れを解説しましたが、政府と日銀の金銭貸借契約による一連の流れのなかで、信用創造により日銀当座預金が生まれます。この流れは、すべての信用創造の流れと全く同じ流れになります。

Youtubeの動画もご覧ください。全体の流れが理解し易くなると思います。


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