政府は自ら通貨を発行することができます。政府通貨を実際の資金決済に使うのは不便なので中央銀行に預金し、中央銀行預金にすることになります。この流れは政府が国債を発行し、政府支出のために中央銀行から資金調達する場合の債権債務の流れと同じになります。国債が政府通貨となっただけです。政府通貨の場合、償還期限がなく、利子がかからない点が相違します。政府と中央銀行も債権・債務を創造する仕組みは個人や企業、市中銀行が債権・債務を創造する仕組みと同じですが、政府と中央銀行は他と異なる特殊性があります。国によっては法律で政府が政府紙幣の発行を禁止している国もあります。
政府の信用創造と中央銀行の信用創造
政府は、国全体の生産力で将来に生産される富を担保に、債権・債務の創造により政府の借用証書である政府通貨を発行します(信用創造)。中央銀行は政府通貨を担保に債権・債務の創造により中央銀行預金を創造します(信用創造)。中央銀行は創造した中央銀行預金により、政府口座に入金します。
政府と中央銀行の特殊性
市中銀行は企業や個人の金融機関になりますが、中央銀行は政府と金融機関だけが利用できる特別な金融機関になります。また政府には寿命がないため政府の将来収入である担保には企業や個人とは異なり限界はありません。そのため政府の債権・債務の創造にも限界はありません。このことから政府には資金調達に制限はないことになります。ただし、政府が実体経済で支出できる額には、その時の経済状況により制限があります。(資金調達に限界はないが、実体経済に支出できる額に制限がある。)
政府の債権・債務の創造と中央銀行預金
政府通貨の発行
政府は、国全体の生産力で将来に生産される富を担保に、債権・債務の創造により政府の借用証書である政府通貨を発行します。

中央銀行の政府口座に政府通貨で入金

中央銀行の信用創造
中央銀行は政府通貨を担保に債権・債務の創造により中央銀行預金を創造します(信用創造)。中央銀行は創造した中央銀行預金を政府口座に入金します。

政府の中央銀行預金が増加

政府が支出する計画の資金が中央銀行預金として調達できました。
政府が政府通貨を発行する前


債権・債務の創造


資金の調達後


政府は中央銀行預金で資金が調達でき、予定の政府支出を行うことができるようになりました。また政府には負債が発生します。政府の債権としての借用証書である政府通貨が、債権である中央銀行預金に置き換わったことになります。債権・債務は均衡しています。
中央銀行は、政府通貨を保有します。政府の借用証書である政府通貨を受け取り、創造した債権としての中央銀行預金を渡したことになります。債権・債務は均衡しています。
無から債権・債務が生まれたことになります。将来生まれる富を現在の債権・債務として顕在化させたというこもできます。ここで注意しなければならないのは、生産する力がその前提となっているということです。生産する力がなけれが将来の生産が生まれないからです。その場合は債権・債務も生まれません。その意味では債権・債務の元は生産する力ということもできます。政府はインフラ投資や科学技術投資、教育投資により国の生産力を継続して拡大させていくことが可能です。
政府の債権・債務の担保が将来収入であるのはもちろんですが、中央銀行の担保である借用証書である政府通貨も元をたどれば、将来収入になります。
市中銀行が中央銀行預金から政府通貨で引き出し、企業や個人が預金から引き出すことにより実体経済に流通します。
債権・債務についての否定できない真実
- 債権・債務の創造には担保が必要です。
- 債権・債務は必ず同時に発生します。
- 債権・債務は必ず同額になります。
- 債権・債務は必ず同時に消滅します。
上記の政府が政府通貨を発行し、中央銀行から資金を調達する場合の事例もこの真実に適合します。

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